2013年5月に原案が発表され、その後の検討と修正を経て同年11月9日の競技大会から正式に採用された、最終段階54種の銘定についての説明です。
ただし、銘定の絵図と詞書(ことばがき)がA3で2枚セットという大きなものとなり、さらに其扇流の会員以外には門外不出を徹底されましたので、本サイトでも絵図と詞書の公開は控えさせていただきます。以下の資料や説明文は、私がだいぶ表現を書き換えたものになっています。
ここでは、2013年9月26日の浅草の例会の後に行われた勉強会で、じゃが連の其扇庵銀扇さんと私が共同で発表した資料をご紹介します(その後の10月の検討会の内容も反映済みです)。イラストの部分は全て其扇庵銀扇さんによるものです。ありがとうございます。
PDFファイルとなっておりますので、Acrobat Reader等をインストールしてご参照ください。
この資料につきましても、其扇流の会員以外には譲渡や公開、配布等は一切なさらないよう、よろしくお願いいたします。
このページでは、上記のPDFの資料に少々補足します。
「胡蝶」と「螢」を除く新銘定12種類は、全て扇が枕にかかっている「行幸」系ばかりですが、今までの40種には見られなかった「扇の位置の限定」があるものがいくつかあります。
覚えるのに難儀するかもしれませんので、以下にまとめてみます。なお、細かい説明はPDFの資料に譲ることにし、こちらでは省きました。
| 旧銘定 | 新銘定 | 得点 | 投者から見た扇の位置 | 説明 |
| 関屋 藤袴 |
葵 | 3 | 枕の後ろ | 扇は要側を地に着いて両褄上がり |
| 関屋(加点) | 3 | − | 同上(扇の位置は不問) | |
| 若菜上 | 3 | − | 扇は親骨の片方で地について要が浮いた形(総角と同じ) | |
| 藤袴 | 2 | − | 扇は要側を上(末広がり)にして枕の幅に収まった形 | |
| 関屋 | 1 | − | 上記以外 | |
| 行幸 総角 須磨 薄雲 |
竹河(加点) | 12 | − | 両褄上がりで、蝶と枕と要が「扇の替幅」程度に収まる |
| 薄雲、賢木、宿木 | 8 | − | (略) | |
| 竹河 | 7 | − | 両褄上がり | |
| 須磨 | 6 | − | (略) | |
| 総角 | 5 | − | (略) | |
| 行幸 | 4 | − | 上記以外 | |
| 若菜下 | 常夏(加点) | 15 | − | 両褄上がり |
| 初音(加点) | 14 | 枕の手前 | 末広がりで、蝶の一部が扇の骨の間からはみ出す | |
| 初音 | 9 | 枕の手前 | 末広がりで、要が枕の上面の上 | |
| 若菜下 | 8 | − | 総角の形 | |
| 初音(減点) | 5 | 枕の手前 | 末広がりで、要が枕の前面に支えられる | |
| 常夏 | 5 | − | 上記以外(末広がりでも扇が横にずれたり側面や向こう側など) | |
| 若紫 | 橋姫(加点) | 25 | − | 総角の形で、枕→扇→蝶が一直線に並ぶ |
| 椎本(加点) | 23 | − | 末広がりで、立った蝶が薄雲の状態 | |
| 玉鬘(加点) | 23 | 枕の後ろ | 扇は単独で両褄上がりを維持し、その扇に立った蝶が触れている | |
| 紅梅 | 20 | − | 立った蝶が扇を支える形で両褄上がりを維持している | |
| 椎本 | 18 | − | 末広がりで、蝶が扇か枕から替幅程度の近くに立つ | |
| 橋姫 | 15 | − | 総角の形 | |
| 明石 | 15 | − | (略) | |
| 玉鬘 | 13 | 枕の後ろ | 両褄上がり | |
| 若紫 | 13 | − | 上記以外 | |
| 空蝉 | 藤裏葉 | 40 | 枕の手前 | 末広がりで、蝶は枕の後ろ側で逆さ吊り |
| 空蝉(加点) | 33 | − | 扇が逆さ吊りの蝶にかかって枕に触れていない状態 | |
| 幻(加点) | 22 | − | 総角の形で、扇が蝶をはさんで枕にかかる | |
| 蜻蛉 | 20 | − | 両褄上がりの形で、扇が蝶をはさんで枕にかかる | |
| 空蝉 | 18 | − | (略) | |
| 幻 | 12 | − | 総角の形で、扇と枕は蝶をはさんでいない |
若紫の系統は個々の条件が複雑なため、「薄雲状態でも末広がりになっていない場合」は「若紫」だけでなく、「玉鬘」や「橋姫」になっていることもあるわけです。
空蝉の系統では、「幻の加点」や「蜻蛉」に見えても「扇が枕に触れていない」場合は33点の「空蝉の加点」が優先されます。
詳しくはPDFの資料をご参照ください。
2014年4月追記)
54種の銘定の絵図が春の大会でどのように使われるか…今までのようにそのまま試合の記録に使うのか、それにしては絵が狭すぎて大変だし…と注目していたら、思い切った改革が行われました。
A3用紙1枚の半分ずつを使って絵図と詞書(ことばがき)を併記し、実際の記録用には隔月の見番の例会で使っているのと同様の記録表を中央に配置して、もっぱら点数だけを足していく方式になっています。
参考までに、扇友連が団体戦の試合終了後にいただいた使用済みのものをPDFにしてご紹介します。団体戦用なので25投モードですが、個人戦で使われたのは10投用になっているだけで絵図と詞書は同じでした。
もちろんこれらも其扇流の門外不出扱いですが、でも「体験乃席」に参加していった一般参加者にも記念にお持ち帰り頂いてました。
絵図の方は全ての記録をスタンプで残すと見づらくなってしまうので「珍しい銘が出た時だけ記念に押していくだけでよい」と指示されていたのですが、記録取役によって押したり全く押さなかったりと対応がまちまちだったようです。