枕と扇については、浅草の文扇堂の物を使用しているそうで、浅草の投扇興と全く変わりませんが、はっきり違うのは的です。
既製のイチョウ型の的ではなく、コインと千代紙で自作するのです。
以下、嘉悦大学短期大学部の古閑先生の論文を参考にさせて頂きながら、同大学の学園祭の投扇興体験コーナーにお邪魔した時に見学した、製作工程をご紹介します。
まず、このような展開図に従って千代紙を切り抜きます。
「のりしろ」となっている部分を折り返し、のりづけします。
切り込みの部分から「山」「谷」の順で折り目を作ります。
そこまで作った紙を2枚用意し、互い違いになるように重ね合わせます。
五円玉12枚を重ねてセロテープでまとめた物の周りを千代紙で覆い、片方の底にも丸く切り抜いた千代紙でフタをします。
そのようにして作ったおもりを、先ほどの重ねた千代紙の中心に置いて、包み込みます。
最後に外側からも千代紙でおもりを巻いて止め、上部を「花」のように作り上げて完成です。