岡山県岡山市の後楽園では、2000年の「おかやま後楽園300年祭」で投扇興大会(4月29日)を開催してから、そのまま人気コーナーとして投扇興が定着しています。
翌2001年のお正月や1月下旬にも大会が行なわれ、山陽放送や瀬戸内海放送など地元のニュースでその模様が報じられていました。当日は公演のため岡山を訪れていた歌舞伎俳優の中村勘九郎丈と、石井正弘岡山県知事が対戦する一幕もあったようです。
県民の評判もよかったようで、同年9月20日の県議会での土木部長さんの答弁からも、岡山県の力の入れ具合が伺えます。
上記のホームページに、こちらで行なわれている投扇興の進め方などがとても詳しく書かれていますので、ご参照ください。投扇興だけでなく、扇の基本的な扱い方まで説明しています。
そして私も、2004年のお正月に、やっと見学・体験してくることができました。投扇興の方の協力は「後楽園遊扇会」となっていました。
また、投扇興と共に「貝合わせ」も行なわれていました。
ベースとなっているのは、山崎恵水先生の「戸羽の会」の投扇興です。銘定の元になっているのが戸羽の会のものであると共に、戸羽の会で製作している枕と蝶も展示されていました。
銘定の方は、点数と形態はほぼオリジナルのままで、名前だけが後楽園の敷地内にある地名や建物の名前などに見立ててアレンジされています。
道具については、枕と蝶(「的玉」と呼んでいます)は大津の円満院のものが使われています。一方、扇は浅草のものが使われていました。したがって必然的に、投者から的までの距離も、西日本の大半の流派と違ってかなり遠めになっていました。姿勢や持ち方も自由でした。
ところで、この写真は単なる「道具の写真」というより、何だかすごいことになっているのにお気づきでしょうか? 私の相手をしてくださったご婦人がいきなり出した、最高得点の形なんです。これ一発で、私はあっけなく負かされてしまいました。詳しくは銘定の解説の方をご参照ください。