新扇堂の投扇興用の扇の右上には、道具のことが書かれています。それによると
花……半紙に硬貨を入れておひねりにし、水引きで飾る。
とあり、つまり的はここでは売られていなくて、自分たちで作るものとされています。ただし、作り方が書いてあるだけで、大きさや重さなどの細かい指定は見当たりません。花台も同様です。
扇についても規定が書いてあるわけではないので、むしろ、この扇も「これでなければならない」専用の扇というより、「遊び方の説明書」つきの扇、ということなのかもしれません。
さらに、場については、花台を中央にして3m(前後に1.5m、幅の指定はなし)の毛氈を敷き、その外に向かい合って座る。使う扇はそれぞれ5本、ということが一枚の絵で示されています。