京人形の平安武久（ぶきゅう）

「人形寺」として有名な京都市上京区の宝鏡寺の向かいにある京人形のお店です。

ここのウィンドウには投扇興の道具も展示されており、その蝶の大きさが独特です。

浅草や都御流で用いられる蝶より一回り大きく、材質は薄い木の板でできています。また、鈴を取り付けているのは糸ではなく金物のリングです。脚が長く、錘もかなり重くて安定しています。
比較のために、単３電池を置いてみました。文扇堂や宮脇賣扇庵の蝶は電池の倍と同じか少し小さいくらいの大きさですから、こちらの蝶の大きさがよくわかると思います。
枕は平安朝の絵柄で、一つの面には「紫式部」という文字が見えます。扇は骨が１２本で５色のセットです。

このセットに添付されている点式は、源氏物語形式でした。銘定の解釈および点数は宮脇賣扇庵で売られている点式と同じなのですが、宮脇の物は五段に並べられているのに対し、こちらは四段になっています。
残念ながら点式のみのばら売りは扱っていないとのことでしたが、写真を撮らせてくださいましたので一部をご紹介します。