私が投扇興と出会う少し前、私の友人たちは畳の上にじかに枕と蝶を置いて投扇興をやっていたそうなのですが、やはりカーペットと違って畳というのはすべりやすいので、扇がなかなか止まらず、行幸系の形ができにくくて点数がのびないものです。
やはり枕の下には、狭くても毛氈を敷いた方が楽しめるでしょう。
毛氈といえば、お茶の野点の席で敷いてある布とか、茶店の縁台に敷いてある布とか、そういうイメージでしょうか。あと、雛人形を飾る段にも必須ですね。この緋毛氈というのは、本来は魔除けの意味があるのだそうです。
イベントの備品を扱うレンタルショップで借りることもできるようですが、毎回借りるのはけっこう大変です。レンタルの場合、期間にもよりますが、2〜3m四方程度のサイズで数百円から2千円くらいが相場のようですから、投扇興を行なうために市民館などの和室を借りるとして、その会場費よりも高くついたりします。
(もっとも、お茶の道具なども備えられている和室もありますので、そういう所では毛氈も借りられることが多いですが)
投扇興のためにはそれほど大きい毛氈が必要なわけではないので、いっそのこと購入してしまうのもいいかと思います。浅草見番で行なわれる例会では、2席丸々収まる巨大な毛氈(おそらく日舞のお稽古用かと思いますが)を広げて使用しますが、小単位の席では本当に枕の周囲だけ、せいぜい1mとか90cm四方もあれば十分です。
アンビック株式会社(旧社名:日本フェルト工業株式会社)製の緋毛氈の場合、厚さ5mm、畳1畳強のサイズで1万数千円〜2万円弱くらい。これをさらに必要なサイズだけ切り分けて売ってもらえるお店が近くにあるといいですね。
私たちの場合は、「アド街ック天国」でも紹介されていた、東京都大田区蒲田の手芸用品などの店「ユザワヤ」で購入しました。手芸用品に限らず、ハンドメイドの材料なら何でも揃う巨大な店舗です。蒲田にはたくさんの店舗がありますが、ほか吉祥寺や浦和、津田沼、大和にも広大なフロアを有する店舗があるようですね。
購入した緋毛氈の大きさは大体1畳分の「180cm×90cm」で、これを半分に切って、「90cm×90cm」2枚にして貰いました。先ほどの「90cm四方」というサイズは、つまり半畳分ということです。
値段は当時、190cm幅で長さ1m毎に2700円。90cmだったので2430円(当時の消費税込みで2500円)でした。一度買ってしまえばずっと使えますので、熱心なグループなら是非購入してはいかがでしょうか?
2008年12月29日追記)
ポリエステル製のフェルト生地だと、折りたたんで保管しても広げた時に折り目がつかずきれいに広げられる上に、何と言っても安く購入できます。
私がトーア商事の渋谷店で購入したときは、幅90cm×長さ5mで3000円ちょっとでした。