浅草の1試合は1人10投ですが、段級位の認定対象となるのは連続4試合分、つまり40投の総得点を使います。また、大会でも4試合の勝敗だけで決着がつかない時は、総得点の上下で順位を決めることがあります。
その40投の総得点では、どれくらいの高得点記録があるのか…参考までに、2級は60点以上、1級と初段は70点以上(ただし、継続が条件)、二段は85点以上、三段は100点以上というのが目安。達人になると、150点台以上を安定して出す人もいるのですが…。
ベストテンは現在のところ、次のようになっています。なお、赤い字は女性です。
順位 | 得点 | 名前 | 日付 |
---|---|---|---|
1 | 313 | 三島 融さん | 2001.08.29 |
2 | 298 | 館長へーすけさん | 2002.09.21 |
3 | 297 | にょい坊さん | 2003.06.14 |
4 | 293 | 館長へーすけさん | 2005.03.05 |
5 | 284 | Domi さん | 2017.08.05 |
6 | 282 | 館長へーすけさん | 2003.06.14 |
7 | 281 | Domi さん | 2007.12.15 |
8 | 280 | Domi さん | 2014.10.04 |
9 | 278 | ヘヴンさん | 2008.11.08 |
10 | 277 | バンマスさん | 2004.09.09 |
21世紀最初の年、2001年夏に、「赤坂連」さんの例会で驚異的な記録が生まれました。40投で何と313点!!つまり、1試合10投の平均が78点強です。達成者は三島融さん。
内訳は、76点、71点、98点、68点。しかも、これだけ高得点が連続していても、最後の試合は1点差で負けて全勝ではなかったんだとか(どういう連なんだ〜!?(^_^;))。
その詳細は次の通りです。なお、実際に投げた順ではなく点数順です。
50点の篝火だとか35点の蓬生だとか、そういう「ラッキーな技」が1つもありません。ただ一つ、18点の「空蝉」の特殊状態で15点増しの33点というのがあったそうですが、他は澪標と帚木と8点技が中心で、まさに空前の絶好調だったようです。8点技といっても薄雲・賢木・宿木(これは珍しい)・柏木(これはまぁラッキーか)ばかりで、何となく拍子抜けな感じの「若菜下」がないのが、やはり好調さを物語っていると言えるでしょう。
1席目 | 関 屋 | 行 幸 | 夕 顔 | 須 磨 | 須 磨 | 宿 木 | 薄 雲 | 薄 雲 | 明 石 | 帚 木 | 合 計 |
1 | 4 | 5 | 6 | 6 | 8 | 8 | 8 | 15 | 15 | 76点 | |
2席目 | 花散里 | 紅葉賀 | 紅葉賀 | 薄 雲 | 薄 雲 | 薄 雲 | 薄 雲 | 柏 木 | 澪 標 | 澪 標 | 合 計 |
1 | 4 | 4 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 11 | 11 | 71点 | |
3席目 | 花散里 | 花散里 | 総 角 | 須 磨 | 朝 顔 | 薄 雲 | 澪 標 | 澪 標 | 帚 木 | 空 蝉 | 合 計 |
1 | 1 | 5 | 6 | 7 | 8 | 11 | 11 | 15 | 33 | 98点 | |
4席目 | 手 習 | 手 習 | 行 幸 | 総 角 | 須 磨 | 賢 木 | 薄 雲 | 澪 標 | 澪 標 | 帚 木 | 合 計 |
0 | 0 | 4 | 5 | 6 | 8 | 8 | 11 | 11 | 15 | 68点 |
澪標と帚木を中心に全試合とも2桁得点の「大技」が2つ以上。
そして300点を越える決め手となったのは、昨年から導入された空蝉の但し書き「扇が蝶に支えられ、枕に触れていなければ15点増し」が現われたことでした。
最後の試合は寺菴さんに1点差で負けたそうですが、それまでは一度もなかった手習が2つあっただけで、これらが花散里であったら4戦全勝となった所でした。しかも、上の「空蝉の加点」がなく単なる空蝉だったとしても、ちょうど300点になっていたわけですね。
(2008年6月21日)
この日のじゃが連例会で、石橋俊彦さんが1試合目に80点(澪標4つ!)、さらに2試合目に86点(澪標3つに若紫2つ!)と、たった2試合で166点をたたき出し、「このまま行ったら7年ぶりの300点台達成か!?」と期待が高まりました。
3試合目はちょっと調子が落ちたものの48点で早くも214点、最後にまた86点を出せれば…と注目を集めた4試合目は、なんと達人の石橋さんが初の野分!を出してしまってわずか22点どまり(^_^;)。40投トータルは236点で終わってしまいました。
(2002年9月21日)
赤坂で行なわれた瓦落多連の例会で、館長へーすけさんがもうちょっとで300点に手が届く298点!!の大記録! 内訳は、
106点 / 80点 / 50点 / 62点
1試合目に真木柱と蓬生が出て106点!! さらに続く2試合目にも蓬生が出て80点という展開にも恵まれ、しかも8月末から一ヶ月足らずの間に7回も200点を越えるという絶好調が重なって、この素晴らしい記録が生まれました。
(2003年6月14日)
赤坂連さんの例会において、瓦落多連のにょい坊さんが、297点を記録しました! これは女性の最高記録となります。
内訳は、1試合目から順に
101点 / 84点 / 80点 / 32点
で、最初に「空蝉の加点で33点」が2つ!も出たために10投100点越えを達成! その後も80点以上が続いた(どちらも、やはり空蝉加点を含んでいます)のですが、それだけに最後の32点が惜しまれます。あとたった3点で、300点台のチャンスを逃してしまいました。
同じ日、館長へーすけさんは、282点を記録しています。こちらの内訳は、
36点 / 112点 / 82点 / 52点
で、「少女2つと澪標」による、10投の最高記録を含んでいます。
(2005年3月5日)
瓦落多連さんの合宿において、館長へーすけさんが293点を記録しました! これにより、今日現在、ベストテンのうちの半分を独占したことになります!
内訳は、1試合目から順に
84点 / 56点 / 86点 / 67点
で、「少女」や「蓬生」が効いています。
念願の300点まであと7点でしたが、こういう絶好調の時でも花散里が4つ(さすがに手習は1つもなかったそうです)。4つのうち2つほど夕霧とかになっていたら…なかなか甘くはないものですね。
(2017年8月5日)
じゃが連の例会で、Domiさんが自己ベストを更新する284点を記録しました。 内訳は、1試合目から順に
58点 / 43点 / 78点 / 105点
で、2試合続けて少女を出したり、少女と空蝉加点を連発するなど派手な大技を頻発しました。しかし花散里や手習もちらほらあったために、10投も40投も新記録を出すチャンスを逃してしまいました。
(2007年12月15日)
ゲームサークルJAGAの例会で、Domiさんが281点を記録しました。 内訳は、1試合目から順に
61点 / 95点 / 79点 / 46点
で、「少女」や「横笛」が効いています。
3試合目の時点ですでに235点に達しており、あと65点で史上2人目の「300点台」に届くところでしたが、さすがに気負ってしまったか4試合目は澪標すら1つもない低調に終わってしまいました。
(2014年10月4日)
じゃが連の例会で、Domiさんが当時の自己ベストまであと1点と迫る280点を記録しました。 内訳は、1試合目から順に
65点 / 84点 / 54点 / 77点
で、最も低かった54点の試合は大技がなかったものの、他の3試合のうち2試合は澪標が3つずつ、もう1試合は「澪標と桐壺の連発」が出ました。でも、蓬生や真木柱といった30点以上の大技は1つもないのが光ります。
(2008年11月8日)
瓦落多連さんの合宿において、ヘヴンさんが278点を記録しました。内訳は、1試合目から順に
62点 / 74点 / 69点 / 73点
で、1試合目は「須磨が6つ」もあった割りには大技なし! そのあとも2試合目は「澪標3つ」、3試合目は「澪標2つと桐壺」、4試合目は「澪標4つと若紫」という具合にとにかく絶好調で、30点以上の大技なしでこの点数というのは素晴らしいですね。
(2004年9月9日)
シアターPOOで行なわれた練習試合で、瓦落多連のバンマスさんが、ものすごい安定度で277点の試合を見せてくれました。内訳は
65点 / 58点 / 58点 / 96点
で、この内容の素晴らしさは、「偶然性の高い30点以上の大技が1つもない」点にあります。
最初の3試合は、いずれも澪標が1つあるだけ。とにかく薄雲や柏木、朝顔がやたらと多いのです。そして4試合目は、「澪標4つ、帚木、若紫」と、実に大技が6つ! しかし、40投を通じて、蝶が立ったのは、その若紫のわずか1回だけなのです。
もしこれが蓬生とか浮舟とかだったら…史上2人目の300点台もありえたのに実にもったいないですが、言い換えれば、最高レベルの実力を如実に表わした結果でした。
(2003年11月1日)
赤坂連さんの例会において、瓦落多連の館長さんが、273点を記録しました。内訳は
65点 / 69点 / 67点 / 72点
です。特別な大技というのは「空蝉の加点」が1つ出たくらいで、あとは澪標や8点技などの積み重ねです。この日の時点でこの記録は第5位で、ベストテンのうちの4つまでを彼が記録しています。
(2009年10月3日)
じゃが連さんの例会において、じゃが連の石橋俊彦さんが、ハイスコアを更新する273点を記録しました。内訳は
59点 / 74点 / 46点 / 94点
です。最後の試合は私が相手だったのですが、蓬生と澪標を連発されてしまい、さらに澪標をもう一発でダメ押し! しかも10投も澪標になりかかった扇が落ちて行幸になってしまったので、そのまま澪標になっていたら101点になっていた所でした(^_^;)。
2試合目の74点もすごいんですが、大技は澪標2つと早蕨があるだけで、特に蓬生のようなラッキーな大技がないのに70点台が出てしまうのがすごいです。
(2002年10月5日)
牛鳴連さんの例会において、瓦落多連のヘヴンさんが271点を記録しました! 内訳は、
78点 / 102点 / 54点 / 37点
で、10投100点越えがあったことが大きかったですね。何しろ「少女と蓬生の連発!」があったんですから(゚Д゚;)。
(2020年9月5日)
じゃが連さんの例会において、扇友連の小藤秀樹さんが270点を記録しました! これは扇友連内の新記録となります。
最近ちょくちょく200点を越える絶好調だったところに、蓬生が2回も出た(うち1回は、10投101点!)ので、ごく順調な達成だったと言えるかもしれません。。
(2007年10月13日)
瓦落多連さんの例会において、瓦落多連のヘヴンさんが、269点を記録しました! 内訳は、
81点 / 48点 / 66点 / 74点
で、10投81点と74点は大技がそれぞれ蓬生1つだけ、他の48点と66点の試合は澪標が1つあるだけです。つまり、4試合ともそれ以外の各9投がメチャクチャ調子良かったということを示しています。
(2005年5月26日)
浅草の振興会例会において、瓦落多連のヘヴンさんが、268点を記録しました! 内訳は、
68点 / 55点 / 53点 / 92点
で、10投92点というのが光っています。これは「鈴がからんだ真木柱」によるものでした。他の3試合も全て50点以上だったため、この高得点につながりました。
あと、達成後2年経ってから伺った情報ですが、2001年の秋に都内で行なわれた揚羽連さんの例会で、268点という記録が出たそうです。残念ながら経過の詳細までは記録に残っていないそうですが、貴重な女性の記録ということもあり、さっそくランキングに追加させていただきました。
ここから下は、最近までベストテンだった記録の詳細です。11位以下になってしまったにしては、せっかく書いた詳細がもったいないというか、ぜひ伝えておきたい内容ばかりなので…。
2005年5月26日、とうとう260点もベストテン圏外になってしまいました。
(2003年6月5日)
新宿のシアターPOOにて、瓦落多連の館長へーすけさんが、260点を記録しました!
内訳は、1試合目から順に 65点 / 79点 / 68点 / 48点 だったそうで、波の少ない平均的な取り方である点が素晴らしいですね。
ちなみに同じ日、バンマスさんも女性としては第2位の記録となる、243点を出しています。こちらの内訳は、 42点 / 58点 / 73点 / 70点 だったそうで、今まで出したことがなかった70点台が一気に2試合も続いて出たそうです。決して偶然ではなく、ここのところ絶好調が続いています。
(2004年5月23日)
じゃが連の石橋さんが、258点を記録しました!
内訳は、1試合目から順に 44点 / 52点 / 104点 / 58点 で、やはり3桁得点が大きいですね。
今年の2つの目標、つまり「10投で3桁得点」と「40投でベストテン入り」の両方を、一気に達成できたのだそうです。
(2006年2月19日)
じゃが連の石橋さんが、上記の自己記録を更新する259点を記録しました!
内訳は、1試合目から順に 61点 / 77点 / 48点 / 73点 ですが、この記録の素晴らしい所は、「澪標以外の大技が1つもない」という点です。
1試合目と3試合目はそれぞれ1つずつで、2試合目は澪標が4つ、そして4試合目は何と澪標5つ! 40投のうち11回も澪標になったそうです。
(2002年5月28日)
浅草での例会において、赤坂連の林 義寿さんが、255点を記録しました! こういった高得点記録は、たいてい支部の例会であることが多いものですが、隔月の浅草見番での例会で出した、いわば「公式認定記録」である点が貴重です。
内訳は、1試合目から順に 69点 / 47点 / 62点 / 77点 だったそうで、4試合目は1投目で蓬生が出たそうですが、かと言って他の試合より極端に点数が高いわけでもないですね。ずっと安定して高得点だったことがわかります。
林さんはこの日の例会では全段優勝し、また直後の「第1回帝の会」でも優勝、半年前の「お正月の会」でも優勝しているなど、絶好調でした。
(2016年10月2日)
じゃが連の例会において石橋俊彦さんが、242点を記録しました!
しかしこの40投のすごい所は得点自体ではなく、40投で1回もミスがなかったことです。
つまり、(野分はもちろん(笑))手習も花散里も関屋も藤袴も全くなく、40投のうち実に38投までが4点以上! 残りの2投が末摘花だったのがちょっと残念でした。
しかし、大技も澪標が3回あった(1試合目に2回、4試合目に1回)だけで、2試合目と3試合目は大技はなく、それでも4試合とも50点台後半以上。8点の薄雲や柏木などが頻発すると、大技がなくてもこれだけの高得点になるということで、「ノーミス」というのがいかにすごいかがよくわかります。
20世紀までは(笑)、私の知っている範囲の最高得点は、248点でした。つまり、1試合平均が62点という、こちらも化け物のような記録です。達成したのは其扇庵翔遊さん(しかし、今となってはベストテン圏外となってしまいました)。
この時は、「蓬生」35点もあるにはあったのですが、別に50点技があったわけでもなく、本当に1投1投全てが安定していました。澪標や薄雲、朝顔など高めの点数が積み重なると、こういう大記録が生まれます。
次の記録が、同じ其扇庵翔遊さんの247点!この1点更新に1年半かかっており、達成した時は嬉しそうでした。その後は250点を目標にしておられますが、よほど絶好調でないとなかなか達成は難しいようです。以下、239点、234点、232点と、この方が上位を独占しています。
私の周囲だけでも200点越えは30回近く出ており、私こと其扇庵匠胡自身も229点、214点、204点の3回達成しています。
こうして見ると、40投の点数と腕前の関係は、ボウリングの1ゲームの得点に近い感覚がありますね。ボウリングのプロは、安定して190点とか200点台を出せないといけないようですが、投扇興の40投でそこまで安定して上手な人というのは、ごく短期間はともかく、なかなか現われないようです。
しかし、まさか250点どころか、ボウリングなら「パーフェクト」の300点を越える点数が実際に達成可能だとは…。この目で見たかったですね。
全くの余談ですが、私は20代の後半にボウリングに熱中していた時期がありまして、その頃のアベレージは150点、ハイスコアは224点でした。かろうじて投扇興の40投のハイスコアの方が高いかな(笑)。
しかし、その224点の時はストライク6連発とかがあったんですが、それでもオープンフレームがあったのです。同じように、投扇興のハイスコアを出した時も、「手習なし」の試合がなかったような…。何をやっても、私は詰めが甘いんですよね…(^_^;)。
200点以上の高得点記録で、惜しくもベストテンには入らなかった分については、かなりの数にのぼりますのでページを分けました。
→こちらをご参照ください。なお、そちらでは順位は省略しました(何しろしょっちゅう入れ替わるもんで)。
なお、瓦落多連の館長へーすけさんは、2003年9月から2005年7月まで23ヶ月連続で200点以上を達成するという大記録を続けていましたが、ちょうど丸2年となる2005年8月は3回ほどのチャンスがあったものの不調に陥ってしまい、とうとうその記録が途切れてしまいました。
どんなに実力のある人でも、ここまで安定して高得点を出し続けることは誠に至難であり、今後この記録を塗り替える人は現われないかもしれません。
私は自分の所属連を中心に、1995年以降しか把握していませんので、以前は他の方がもっと高得点を出していたかもしれません。
情報をお待ちしています。