扇は十二骨ほねの俗扇ぞくあふぎを用ふべし地紙じがみは淺黄色あさぎいろにして金銀にて山櫻やまざくら或は紅葉等を畫江がく
枕は尋常用ふる所の木枕の寸法なり之も紅葉等の蒔繪まきゑあり或は梨地なしぢ黒塗くろぬり等なり
敷物しきものは猩々せうヾ緋ひ羅紗らしゃ或は毛氈もうせん等なり長さ八尺幅一寸七分に切きりて用ふべし是を投席とうせきといふ
(注:「幅一寸七分」ってのは、いくら何でもおかしいですよね。たった4cmくらいの幅の毛氈に座れったって不可能ですから(笑)。実際、「投扇式」には「幅一尺七寸にして敷くべし」と書かれているようなので、これは著者の勘違いというか転記ミスの類だと思われます)