「国書総目録」について

 投扇興に関する文献リストを作成するに当たって調べさせて頂いた『國書總目録』は、国初から慶応3年までに刊行された日本人による著作、編集、翻訳した書籍(国書)が、全国のどの図書館や文庫に所蔵されているかを記載した、全9冊の総合目録です。
 1960年までに調査された写本・版本の種類と所蔵館、現代の活字本に収録されているかなどの情報を、書名・著者名から調べることができます。収録数は、実に50万点にのぼるそうです。
 ちなみに、この『國書總目録』全9巻を神田の古書店で揃えると、数万〜20数万円します。たとえば西秋書店では9冊で68000円とのこと。

 本書は1939(昭和14)年の『岩波国書解題』構想が発端となり、戦争による中断をはさんで、1957(昭和32)年に国書の総合目録を編纂するという方針に変更されました。1963(昭和38)年から1976(昭和51)年にかけて刊行され、あしかけ38年に及ぶ大事業となりました。その後、1989(平成元)年に追加・訂正を施した「増訂版」が刊行されています。上記のような古書店による価格の違いは、この刊行年の違いもあるかもしれません。
 他にも、続編に当たる『古典籍総合目録』(岩波書店)全3巻というのが1990年に出ています。


 『国書総目録』は書名の50音順で、第9巻は「著者別索引」です。各項目には下記のようなマークの案内があります。

 『国書総目録』のデータは1960年(昭和35年)までです。所蔵先が(日比谷)と記載されているのは旧日比谷図書館を指しています。例えば (日比谷 加賀)は加賀文庫です。続編である『古典籍総合目録』も引き方は同じですが、こちらには活=活字化されたものの情報については収録されていません。


東京都立中央図書館」および「大阪府立中之島図書館」のHPの解説を参考にさせて頂きました。