「広辞苑」で「投扇興」を引いてみると、次のような説明がされています。
【投扇興】 江戸時代の遊戯の一。台の上に蝶と呼ぶいちょう形の的を立て、1メートルほど離れた所にすわり、開いた扇を投げてこれを落とし、扇と的の落ちた形を源氏54帖になぞらえた図式に照らして採点し、優劣を競う。1773年(安永2)頃から盛行。扇落とし、なげおうぎ。 ≪季・新年≫ |
しかし、これだけでは、イメージをつかみづらいかもしれません。
まだ一度も投扇興を見たり体験したりする機会がなかった方にも投扇興がどういうものか知って頂くには、やはりビジュアルな資料が必要ですね。
こちらの「浅草ブロードバンド」のサイトには、投扇興の試合風景や解説を映像で紹介したページがあります。
また、投扇興を含むお座敷遊びを映像で紹介した「お座敷あそび 浅草芸妓連」というDVDも発売されています。
こちらのYouTubeの映像(5分)は、全員が着物という雅さで投扇興の試合風景を紹介しています。
また、薄雲(4秒)や澪標(12秒)の映像もあります。ぜひ参考にしてください。
ところで投扇興には、この広辞苑の説明に出てきた「源氏物語形式」の他にも、「百人一首形式」を始めとして、全国には実にさまざまな遊び方があります。使用する道具もけっこう違いが見られます。
この「投扇興研究室」では、それら多種多様な投扇興を全て網羅することを目指しておりますが、このコーナーにおきましては、私が最も親しんでいる浅草の投扇興をベースとして説明させて頂くことにします。
他の流派について、さらに投扇興の歴史などの詳しい説明は、それぞれのコーナーをご参照ください。