博物館の展示

全国の博物館には、郷土の玩具などのコーナーに投扇興が展示されていることがあります。
埼玉県立博物館では独特の得点表がありましたので別項で紹介しましたが、他にも投扇興が展示されていたという情報がありますので、いくつか列挙してみます。


相川考古館(群馬県伊勢崎市)

月に1回、投扇興サークルが行われています。また、普段でも来館者は100円で投扇興を体験できます。


霊山(りょうぜん)歴史館(京都市東山区)

京都霊山護国神社および高台寺に隣接されているここ霊山歴史館の「幕末の遊び道具展」の一角に、投扇興の道具が展示されていました。点式はなかったものの、道具自体が普通の物より一回り小さかったのが興味深かったです。
博物館はどこでもそうですが、写真撮影が禁じられていたのが残念でした。


京都絞り工芸館(京都市中京区)

絞り美術館見学」(入館料500円)の中に、無料の投扇興体験コーナーがあるようです。


香川県歴史博物館(香川県高松市)

1階の体験学習室に、十二単の着付け体験や昔遊びのコーナーがあって、その中に投扇興があるそうです。


赤坂・お菓子の博物館「虎屋文庫」

2001年の初め、東京は赤坂の和菓子の「とらや」(室町時代創業の老舗です)で、江戸時代から伝わる精巧で極小な雛人形および雛道具が発見され、展示されることになったと新聞を賑わせました。その「第58回虎屋文庫資料展」に展示されたかわいらしい投扇興がこちらです。
写真の提供および掲載許可を頂きましたので、ご紹介いたします。

この的台は高さがわずか150mmで、まさに雛道具といった感じです。もちろん、これを使って実際に投扇興を行なうことはできませんので、展示会場では宮脇賣扇庵の道具を用いた体験コーナーも併設されていました。
この時、遊び方等は人形の「吉徳」の資料室(03−3851−0161(代))および日本人形玩具学会の監修を受けたということで、ぜひ私もお話を伺いに行こうと思っております。


日本玩具博物館(兵庫県神崎郡香寺町)

ここでかつて投扇興が展示されていたという話を聞いたのですが、上記の公式サイトに載っていないので、実際に行って確認するしかなさそうです。
現在(2001年2〜3月)、雛道具に関する特別展を開いているそうなので、投扇興が展示されている可能性は高いですね。お近くの方、行ってみませんか?


源氏物語ミュージアム(京都府宇治市)
(名誉館長・瀬戸内寂聴さん)

ここの企画展示室に「投扇興」が飾ってあるそうです。カラーの点式もあったとのことですが、宮脇賣扇庵のとは別かな。近いうちに見学に行くつもりです。ただし、「企画」であるからには、今はもうない可能性も。


御花史料館 殿の倉(福岡県柳川市)

柳川藩主立花家の屋敷跡の中の資料館。ここに「投扇興」が展示してあった、と落語家の立川談幸師匠から伺いました。点数表もあったそうですが、道具などは現在のものとほぼ同じだったそうです。


歴史民俗資料館(滋賀県神崎郡五個荘町(ごかしょうちょう))(旧藤井家住宅)

雑誌「旅の手帖」(弘済出版)2001年3月号の90〜92ページの記事によりますと、ここに展示されている雛人形の中に「扇落し娘」という作品があるそうです。
写真を見ると、2体の着物姿の人形がまさに投扇をしようとしている様子なのですが、なぜか扇は閉じたままです。しかし、枕と蝶はよく見られる形のままに再現されています。


京都・二条城

昨年(2000年)のGW頃、大河ドラマ「葵・徳川三代」放映を記念して本丸御殿を特別公開していた時、その本丸御殿の御常御殿の二ノ間で「投扇興」が人形とともに展示されていたそうです。


江戸扇子の体験

東京都江戸川区のサイトに、江戸扇子の工芸職人の方の仕事場を愛知県の中学生たちが見学に訪れた模様が紹介されていました。
製作体験をしたあとで投扇興にもチャレンジ。道具や銘定を見る限りでは、戸羽流で行なっていたようです。


佐賀県嬉野温泉 肥前夢街道

こちらの「施設案内」によると、「本陣」の室内で投扇興を楽しむことができるそうです。